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柿 デッサン再考

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描かれた柿は
友人からお土産に貰ったもの。
アーユルヴェーダの学びをしてる友人はいつも謙虚で美しい生き方をしている。そんな彼女の私への優しい思いがこもった、ぬくもりのある柿でした


☆絵を教えるには
やはりお手本が一番です
ですから レッスンでは描いている生徒の隣りで一緒に描くよう心がけます


観察にはいくつものポイントがあります

角の丸い四角のような形をした柿は
4つのパートから出来ています

色 艶 皮とヘタの質感や感触や温度の違い 重さ
形以外に様々なことが観察されます

それから光のあたり方で生まれる影や反射‥
柿を切り分ける時の音や食べる時の味わいや硬さを想像する思い出される‥

置かれてる部屋の空気や温度
風の通りかた
そしてそれ以外の
柿を観察する者の全ての思考が見えてくる

不要なものは排除し整理しコントロールして
表現したい方向に正しくエネルギーを使います


デッサンとは
単に立体を捉え
影や光の扱いを知り表現のテクニックを鍛錬するにとどまらず
このように
観ている自分の描くエネルギーをコントロールする力が養われます

それが柿の存在をとらえる上で重要であり
存在や世界の事実の全てと
自分自身をとらえ
自分のエネルギーを真実に向けて使う鍛錬にもなるのです


観て描こうとする者の内面の
角度 次元 が単に情報を超え‥
例えば柿の赤い色の美しさや
形などの不思議が心に深く届き感動に結びついたとき
誰でも 良いデッサンを描けます

胸を打つ表現に
上手い下手はありません
上手さは
回数を重ねれば 得られます

鑑賞する者に感動をあたえないデッサンとは
手が描き方を覚え
手だけで描いてしまい
心のこもらないもの

歌も絵も 上手さで人の目をあざむけますが そういうものは、どんなに有名で高額な作品でも
実際には魂にとって何の栄養にもならないものです


この柿を描いたときは 描くシチュエーションがまずまず整ったものでした

場の空気が快適だと描き手に良い影響を与えてくれます
勿論
場の空気は自身がつくるものですね


私は この柿を描き終えて 初めて 柿の命との一体感を観ました
柿には私と同じ命が充満していました

そして改めて
宇宙に生命が生み出され形となる神秘を感じました
良い体験でした

私の表現したいものはいつも
対象が何であれ
「命が生まれてくる手前と帰っていく場所にある響き」なのです

先日のデッサンがそれを十分に表現していたかといえば
不十分でしょう


デッサンがヨガであり 哲学であるというのはこんな理由です

観ているものしか
描けないことを決して忘れてはいけません

だから 観ることです
光に風の色と
命の呼吸を聴きわけられるくらいまでに

私はまだまるで
不十分です


今日 あの柿を食べました
これは食べかけ写真

今まで食べた柿で
一番美味しかった☆そんな風に思うほどに~(*u_u)
by veda-anand | 2007-11-09 20:54 | 癒しへの導き
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